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ドラゴン学―ドラゴンの秘密完全収録版
ドラゴン学―ドラゴンの秘密完全収録版 (JUGEMレビュー »)

小児用の本棚に並べられていたこの本、

本物語を考えるにあたり、必要な本と判断し子供の群れを割って買いに行きました。
本の内容は本当におもしろいものでした。大人でも子供に返れるような文面となっており、昔の学者からの古びた手紙(もちろんフィクションですが)ありました。さらにドラゴンが脱皮した鱗などの標本も添付しており、思わずニヤニヤしてしまうほどでした(友達とも盛り上がりw)。

ただし、すべてのドラゴンを把握したかった私としては少し物足りなかったのも事実。有名な約十種ほどのドラゴンの紹介のみとなっていたので。

だけど、ドラゴンに興味を持っている方は持っていなければ恥をかく一冊と思いました。小学生低学年には少し難しいんじゃない!?ってほどの文面でしたしw
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micchi-、ガートルードのストーリーについて
筆者挨拶 / micchi03
 ごらん頂きありがとうございます。

本ブログはmicchi-とアキラ(謎)の作るドラゴンをめぐるストーリーを紹介するものです。

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 主人公は「ガートルード・M・エズデル」

 彼は医師を目指して14歳から勉強を始め、
実践を積んでからはおよそ20年の歳月が経つ。
けして覚えがいいわけではなく、
今の世の中で言えばいわば”努力タイプ”。
しかし、新しいことに挑戦は忘れず、
医学につなげるために他分野に関して知識を深めていた。
そのためか、実践での判断は一流であり、
数々の医療現場で功績を挙げる。

 そんななか、
兄弟のように遊び、勉学ともに長く一緒にいた友人から一通の手紙が届く。
奇妙……ありえないとも言える内容から胸騒ぎを覚え、
すぐに荷物をまとめるガートルード。



 さて、あなたがこの時代に存在していたとき、
これから起こる事件をどう想像しただろうか。




 それでは"序章"よりご覧ください↓↓↓↓↓↓↓
『序章』
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序章〜私のノートを書き始めるによせて〜
序章 / micchi03

親愛なる"読者"の君たちへ


 私がこのノートに「記録」を綴っていく前に、どうして私がペンをとったのかについて語らねばならないだろう。

 このノートは、完成度が高ければ医者仲間への参考文献ともしたいし、偶然手にとって読む人もいるかもしれない。私がこれから綴っていくことは、到底信じられないと言う人も当然いるだろう。だが、目の前の電子機器ばかりではなく、もっと遠くを見つめる目があるならば、あなたにはこの「記録」が事実に基づいている事に気づくはずだ。

 さて、この「記録」は、ドラゴン達の治療の「記録」だ。ドラゴンなんて本当にいるのかって? 君はどうしてそう思うんだい? いないなんて言い切れるのかな。だって、私は実際にドラゴン達の治療にこれから向うのだ。

 もし君がドラゴン達と縁のない生活をしているならば、このノートが少しは"彼ら"について理解するための役に立つかもしれない。

 私がドラゴン達の治療という奇妙な頼みごとをされ、今目的地へ向って列車にゆられているきっかけは、私の古い友人からの一通の手紙だった。内容は衝撃的なものだった。それまで私はドラゴンの存在は知っていたが、ドラゴン達が陥った危機が尋常ならざるものだという事に衝撃を受けたのだ。普通ドラゴン達は傷を負っても驚異的な回復力で治癒するため、人間の治療を必要としない。繰り返すが、……これは異常事態なのだ。

 列車が目的地に着くまで少々時間がある。その手紙の内容もここにメモしていこう。


13.8.1863
ガートルード・M・エズデル

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友人からの手紙
手紙 / micchi03

 下記が、私が受け取った手紙の内容だ。君たちには分かりにくいくだりもあるかもしれない。そこは、私の友人がいかに逼迫した状態でこの手紙を書いたのかを想像する事によって、どうか許してほしい。




親愛なる ガートルード・M・エズデル博士へ


 今まで2年も私が連絡をとらなかった事を腹立たしく思わないでほしい。連絡がとれない事情があったのだ。だがそれはあまり他人に言えることではなく、医者として、また友人として心から信頼できる君にだけ打ち明けたい。

 君との付き合いはいつからになるだろうか。君が医者を目指し、私が探検家を目指して道を別ったそれよりも前のはずだ。話したいことはたくさんあるが、まずは君に”ある場所に来てくれ”と、突然の懇願を私はしなければいけないだろう。

 それを了承するかどうか、君が決めると決めざるとに関わらずだ。

 事態は緊急を要している。もう、”彼ら”に対して私ができるのは、君をここへ呼ぶくらいの事だけなのだ。君には、”彼ら”という呼称が誰の事を示しているのかは明確に理解できるだろう。

 詳細を他人に読まれてはまずいので、ここには明記しないでおく。”彼ら”が今、身体的に非常な危機に陥っている、とだけ書いておこう。君を疑っているわけじゃない。”彼ら”が弱っていると知ったとき、狙ってくる連中があまりにも多すぎるからだ。欲に溺れた連中にもし何かの間違いでそんな事が知れたら、”彼ら”は血の最後の一滴まで欲望と利益のために奪われてしまうだろう。

 お願いだ。君に妻子がいるのはわかっている。しかし私も人生をかけて君に懇願する。

 今すぐ来てほしい。”彼ら”を救うために。




 君の来訪を心より待っている。


君の心の親友 アルサー・D・スタングレインより。7.8.1863
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目的地の麓へ
ガートルードの記述 / micchi03
 乗り心地の悪い列車に2日も座りっぱなしで、尻の皮がむけそうだ。おまけに降車場所から今いる場所まではかるく10kmはあるときている。脚はパンパンに腫れているが、そうも言っていられない。それに、この運動のおかげで、私の体も少しは若返るかもしれない。明日からは体力的に非常に辛い毎日に違いないのだから。

 まず最初に問題のドラゴン達に会うためには、列車を降りてから山を登らねばならない。今日は麓にある村で宿をとり、明日の朝、山へ向おうと思う。今私はベッドサイドのささやかな灯りの下でペンを走らせている。疲れで文字が多少汚いが、どうか容赦してほしい。

 昔は全世界に生息していたと言われるドラゴンが、今では眼前の空を覆うようなこの山にしか生き残っていないのは非常に残念な事だ。山から吹く風に乗って、耳の奥に哀しい叫び声が聞こえそうな気がするのは、そういう私の感傷のせいかもしれない。

 宿を探しがてら、何かの役に立たないかと考えて村の住人達に聞き込みを行ってきた。彼らの口から発せられた言葉は、私個人としては信じたくないものだった。だが、それは今のところほぼ事実として捉えたほうがよさそうだ。余計な主観は真実を危うくする。

 村の住人達から聞き出してきた事は、概ね以下のようなものだ。


 ○何か変わった事が生活に起きていないかと尋ねたところ、よく裁縫道具や仕事に使う道具が盗まれているということだった。(証言者の家を見せてもらったが、確かに不自然に欠けている道具があることが分かった。)
 
 ○ドラゴンが暴れまわっている所を目撃した。(ドラゴンとは自然を司るもので、気性は荒くとも常軌を逸した行動はしないはずだ。これも”異変”を示す何かなのだろうか。)
 
 ○暴れまわっていたのは、闇の属性のドラゴンだった。(ドラゴンには属性がある。それについてはリストの下に記述しよう。)

 ○一人の探検家が5日ほど前から山に入ったまま降りてこない。(間違いなくアルサーの事だ。彼は今無事なのだろうか……?)



 リストにも記述した通り、ドラゴンには『属性』というものがある。ドラゴンとは自然を司るものだからだ。そして、一般的なドラゴンと、特別なドラゴンがいることも分かっている。火の属性、水の属性、風の属性、木の属性、土の属性のドラゴン達が一般的なドラゴンにあたる。それに加えて、彼らより力があり、彼らをまで統率する立場にあるのが、光の属性、闇の属性のドラゴンだ。ドラゴンの中でも特別な光と闇のドラゴンは思慮深く、常に冷静で公平を重んじる。その性格からしても”闇のドラゴンが暴れている”という情報は信じがたいのだが……。事態は私が思っているよりもずっと、謎に包まれているようだ。

 アルサーが行方不明だという事にはあまり驚かなかった。彼は探検家なので、しょっちゅう知り合いや家族の元から姿を消しているからだ。だが、胸の奥で大量の虫が走っているような不安感に襲われるのは何故だろうか。とにかく、無事を祈るしかない。私にできる事とできない事ははっきりしているのだから。

 治療の際には、その場でメモをとらせてもらう事ができるだろうか。気難しいドラゴンの治療の場合は、その日の夜にまとめて書くことにしよう。カルテを作る必要もあるかもしれない。

 さて、そろそろ眠りにつこう。続きは次のページをめくってくれ。


15.8.1863
ガートルード・M・エズデル

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最初の出会い P.1
ガートルードの記述 / micchi03
 はるか高くを見上げ、私は山へ登るための一歩を踏み出した。具体的に何がドラゴン達に起こっているのかなど、全く知らないまま。私は少々高を括っていたのかもしれない。理由は、これから記述しよう。

 山の中腹で私は、ドラゴンがねぐらにしていそうな洞窟をまず探すことにした。まずはドラゴンに合わなければ何も知ることはできないからだ。一見するだけでは異変など感じられない風景だった。適度に木が生い茂り、草の緑もまばゆく風も心地よい。しかし苦しげな太いうめき声が、歩む私の足を止めさせた。

 グルルルルル……

 あえて文字にするとこのような、風の嘆きのような声だ。低く這う音を頼りに草を分けて歩いた。

 そして目にしたものに、私は自分の正気を疑うほどの衝撃を受けた。

 鋭く風を切り裂くからだと大きく偉大な翼、そして太く頑丈な爪の半分が、ドラゴンの体から消えていたのだ。正しくは、ドラゴンの体を縦に半分に割ったように、半身が消えてなくなっていた。それでも生きていたこのドラゴンが発した声を、私はさっき聞いたのだった。

 あまりに悲惨な光景に立ち尽くす私へ、ドラゴンは片目で鋭い視線を投げかけた。半分になった舌と顎を使って、彼は器用にしゃべり始めた。




 

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最初の出会い P.2
ガートルードの記述 / micchi03
 「人間ごときが」
 威厳ある声でドラゴンは言った。
 その一言にすべてが集約されているのではないかと、私は思った。 
 人間がドラゴンの住まいに足を踏み入れ、あろうことか、彼らのこのような悲惨な姿を目にしているのだ。

 ドラゴンのウロコや心臓や、ありとあらゆるものを奪って売ろうとする人間は、ドラゴンを信仰する人間と同じくらい存在する。私はどうしようもない悲しき隔たりをドラゴンとの間に感じた。

 「人間ごときが」ドラゴンは繰り返した。
 「俺に何のようだ。俺にはまだ、お前を噛み砕くほどの顎の力が、お前を引き裂くほどの爪の鋭さが残っているぞ」
 「いいえ」
 咄嗟に私は声を大きくした。身構えるようにドラゴンは体を動かした。
 確実に威嚇されている。しかし私はかれが言うほどの力が彼には残っていないことを、哀しくも医師として直感した。

 救わねばならない。
 この偉大なドラゴンたちを。

 声が震えてしまわないように意識しながら私は言った。
 「私は、医師として、また技師としても働くガートルードという。何もあなた達から奪いはしない。この状況を友人から知らされ、何とか力になれないかと思ってここまで来たんだ」
 「ほざくな」
 途端にドラゴンの怒りの咆哮が、鋭い風と共に私のそばを吹き抜けていった。
 その声と風が私を拒絶していることは、さすがに鈍い私でも分かった。

 妻と子が出て行った時にも、このような咆哮と風とを残していってくれたら、私はもう少し彼女らを理解できただろうに。いや、個人的なことを書いてしまった。すまない。

 とにかく、私はそのドラゴンの元を去らざるを得なかった。



 
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